以前、徳島で知り合った仙台在住の同業女性(当時支店長)が独立されたと業界誌で知った。
その記事の中で目に止まったのが「ファブレス経営」。つまり、工場を持たず外部に生産を委託している製造会社のこと。その分、企画開発に注力でき、環境の変化にも対応しやすい。この手法を取り入れてる有名な企業にはアップルや任天堂がある。
ファブレス経営とは?有名企業が取り入れているビジネスモデルについて紹介
ファブレス経営こそ自社がやってきたことである。開業資金が少なかったというのも工場を持っていない大きな理由だが、工場を持つことの様々なリスクを排除したかったというのが大きい。
工場を持つということは、土地や設備が必要となる。特に設備は持っているだけでお金がかかる。同業者なら必ず持っているインクジェットプリンターも、インク代、メディア代、保守料など結構お金がかかる。おまけにそれを動かす人間も必要。それなら外部に委託する方が安くて早くて管理も楽。
それと一番は人の問題。工場を作るには職人を育てなければならない。それには何年もかかるし、自分は職人ではないので教える自信もない。また、暇な時に職人さんを遊ばせておくわけにもいかない。それなら協力してもらえるプロフェッショナルな会社と仲良くお付き合いして、仕事が発生した時に協力していただいた方が良い。
ただし製造を外部に委託するやり方はそんなに簡単なことではない。他の会社と同じようなことをやっていては、どちらで作っても大差がなければ価格で比較されてしまう。実はうちは価格競争力のノウハウも持っているのだが、それで安売りをするのはあまり好きではない。
お客様に選んでるいただける企業努力も必要だし、お客さまにとっての付加価値を高めていくことを追求していかなければならない。
そのためにも高いレベルの社員教育が必要。人間的にも技術的にも自らを高めて続けていかなければならない。
ただのんびりと与えられた仕事をこなして働いているサラリーマン根性ではダメ。お客様への付加価値を高めるためにもプロの意識を持つこと。
例えばプロスポーツ選手は試合に出ていれば給料がもらえるわけではない。試合に出るための努力を重ねて重ねて、常にレベルアップをしている。そうしない選手は置いていかれる。
会社も一緒。自己成長をしようと努力しない人は置いていかれる。どうしてもできないことは悪くない、物覚えが悪いのも仕方ない。しかしできるように努力していないのは、できない言い訳にしか聞こえないし私は認めない。
どこかの社長が言ってた。「会社で成長したいという人は雇わない。成長したいならお金を払って学校へ行くべき。私はサラリーマン時代、会社で力を発揮するため、夜間の学校に自ら通っていた。」
会社に依存しないプロ意識を持って欲しい。