成功する経営者の条件 ー機関紙112号ー

今回の号は、京都銀行の70周年式典の記念講演で話されたことが掲載されていた。
塾長が創業して間も無く、京都銀行に融資を依頼したところ断られ、中小企業への融資を行なっている国の機関を紹介してもらう。担保も何もないのを理由に一旦は融資を断られそうになるが、そのような姿勢では中小企業が融資を受けることが高いハードルとなってしまい、中小企業の発展などできるはずがないではないかと支店長に申し出て、結果、無担保で融資を受けられるようになる。
そういったこともあり、地方銀行には地域の中小企業を担保がないからと切り捨てるのではなく、その経営者の人間性をしっかりと見極めた上でサポートしていって欲しいと語っておられた。
その際の判断材料となる「成功する経営者の条件」について、5つ述べられていた。

1、高い専門的技術力を持っていること
2、夢を持ち、チャレンジする心を持ち続けていること
その自分の夢を自分だけのものとせず、集団の夢とするために、その夢と夢の実現に至るプロセスを、ことあるごとに社内で熱く語りかける。→相手へのエネルギーの注入。
社員のエネルギーが経営者と同じくらいに高まってくるまで、経営者が社内で語り続け、経営者の夢と情熱、そして具体的な経営目標が、企業内で共有されているような企業であれば、事業は必ず成功する。
3、潜在意識に透徹する強烈な思いを持ち続けていること
4、事業の意義、目的を明確にすること
5、人間として正しい判断を下すこと
これらの5つの要素をもっと簡単にまとめると、
【人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力】
「能力」が低ければ、その分「熱意」でカバーできる
うちの会社も、ずばぬけて能力が高い訳ではない。
であるならば、熱意(=誰にも負けない努力)を持って仕事を行い、
考え方(=人間として正しいことを貫く、フィロソフィー)をきちんとした経営を行なっていく。
今回で2回目の機関紙だが、読めば読むほど稲盛塾長のことが好きになる。
鬼のように厳しい部分もあれば、人を喜ばせるにはどうしたらいいだろうかと考え、この人について行きたい!と心から思わせる優しさ、暖かさを持ち合わせておられる。
ある幹部の方が大口の注文を取り、塾長に電話をしたところとても喜ばれた。その後夜10時過ぎに会社に帰ったら塾長が外で待っていてくれて、握手と共に迎え入れてくれたというエピソードが紹介されていた。こういった感動で心が震えることが本書の中でも何度かあった。
また、塾長は創業当時から、常に周りに理想を話しておられた。
ここは私に特に欠けている部分で、社内で従業員に対して、相手が納得するまで話し合ったり、ビジョンを語ったりということができていない。
衝突を恐れて聞く耳を持たず、経営者という立場を使って、意見を押し付けているだけであると感じている。
まずは自分自身が強い思いを持ち、事業の意義・目的を明確に確固たるものにした上で、従業員に語り続けていく。
そして「全社員が同じ気持ちになり、自分たちの会社を立派に成長させようと思わなければ、誰もやってくれないのだ」という意識を持って、一丸となって進んでいく。

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