転職

知人が経営する会社で働いていた社員が、よく知っているライバル会社に転職すると聞いた。

知人はその社員を新卒から育て上げてきたが、ようやく仕事が一通りできるようになった時に突然やめることになったと言っていた。それを聞いた時、私は心が痛んだ。

私も今まで経営を行ってきた中で何度も経験がある。
作っては崩れ、作っては崩され。
それでも一歩一歩前に進んでいかなければならない。

そういえば亡くなった父の会社も、職人さんがごっそりやめて新しい会社を作ったことがあったと聞いた。本当に辛かったことだろう。しかしそれをきっかけに、父の会社は職人の世界から装置化へと変革していった。

知人の周りの人間は、その辞めた社員のことをあまりよく言ってなかった。
私もその辞めた社員から何も聞いていないので、社員が悪いのか、会社(経営者)が悪かったのかよく分からない。
それでも私は知人の会社を応援してたので、今日その転職を話を聞いた時はその社員のことを何て恩知らずなやつだと気分が悪くなった。

しかしこれを書きながらよくよく考えてみたら、もっとひどい奴がいた。
それは10年前の自分。
両親の期待を一身に背負って育ててもらったのに、私は父の会社を飛び出した。
家業を存続させるためには自分が引くしかないとの覚悟から。
人には様々な事情がある。

そんなことがあったからこそ、もっと従業員を大切にしなきゃと思う。

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