企業統治の要諦 ー従業員をモチベートするー 機関紙117号

今回のテーマは、今の私にとってとても興味深い内容で、ほとんどの行をノートに書き写してしまった。しかしこれらが企業統治の初歩の初歩だとは。。。深すぎる。
それではこれらを更にまとめたものを書き綴っていきます。

①従業員をパートナーにする。

自分一人の力では限界があり、伸び代はたかが知れている。
だから従業員を採用し、彼らと一緒に仕事をすることで、成長発展を目指していくべき。
従業員には、自分と同じ気持ち(共同経営者)になって、仕事にあたり、事業をさせてくれる。まさに自分と一心同体になって仕事をしてくれるパートナーとすることが必要。とあった。
うちの会社にも1人はそう思ってくれてるだろうと感じる従業員がいるが、それ以外からは、まだそのような気持ちは私には伝わってきていない。
それはうまく伝えられていない自分の責任であり、悩んでいるところである。
まずは自分が相手をパートナーだと信じて接していないからではないか?
また、「私はあなたを頼りにしている」という言葉をかけ、日々そのような姿勢で接することが必要。ともあった。
私には今まで従業員に「頼りにしている」という言葉をかけたことはなかったと思う。
どちらかというと、「俺の足を引っ張らないよう、早く一人前になってくれ」という意識であった。
ここが私の足りない部分の一つであったように思う。
振り返ってみれば、例の元PTA会長のF氏からも「あなたには期待してる。ぜひ全国入賞を目指そう!」と期待感を持たされ、それが大きな力となったことは間違いない。

「皆さん、私と一緒になって、会社を発展させていこうではありませんか。そのために全面的に協力してください。私は皆さんと、兄弟あるいは親子のような気持ちでともに仕事をしていこうと考えています。単なるサラリーマンを超えた、そういう思いでともに仕事をしていきましょう。」

「まずは松江で一番の看板制作会社が目標です。」

まずは自分の意識を変え、あなたを頼りにしてるという気持ちで接していこうと思う。

②従業員を自分に惚れ込ませる

社長であるあなたに惚れ込んで、どこまでもついてきてくれる人たちをつくり、そのような素晴らしい人間関係をベースとして、会社を発展させ、彼らを幸せにしていかなければならないのです。

今の自分に全く足りていない部分だ。。。
うちの会社は、まだ心で繋がっているということはなく、よそよそしい部分が多いように感じている。
じゃあ一体どうすればよいのか?

それは、「自己犠牲を払い、従業員のことを最優先に考える。」だそうです。
考えてはいるけど、実践していない自分に気づきました。

また、「従業員に惚れてもらう」とは、言葉は悪いが「従業員をたらし込んで、自分のパートナーに仕上げていく」こと。と書かれていた。なるほど。

③仕事の意義を説く

私は彼らの仕事への意欲を何としても高めなければならない、モチベーションを高く維持しなければならないと考えた。

そのために、従業員に仕事の意義を語り続けなければならない。
我々の仕事を意義を、私はあまり伝えてこなかった。
「もっといいデザイン作って」、「文字をカットしといて」とか。
なので、今回まとめてみた。

新しいお店を作られるお客様がいらっしゃいます。

お店を作るということは、やったことがないと分からないと思うが、予想以上に大変なこと。

自分の人生をかけ、お金をかけ、時間をかけてお店を作られる。肉体的にも精神的にも本当に大変なのです。

私の会社を作るときも大変でした。ノートパソコンと机だけの創業でしたが、こんなにもしんどくて大変なのかと思ったものです。

そんなお客さんの夢と希望を背負って、我々は看板を作っているのです。

だから、適当に考えて、適当にデザインされた中途半端な看板は出せません。

本気でお客様のことを考え、お客様の成功と発展を願って看板作りに取り組まなければならないのです。

我々が企画し、デザインした看板がお客様の店頭につく。

それを見た消費者は、感じがいい店だな、イメージがいいなと入店される。

良い看板があることで、新しいつながりが生まれ、消費が発生し、商品を買った人も、売った人も幸せな気持ちになる。

我々の看板が、お客様のためになり、消費者のためになり、社会のためとなるのです。

そのように社会的に意義のある看板を設置できるかどうか、それが皆さんの日頃の働きによって決まるのです。

④ビジョンを掲げる

更に従業員のモチベーションをアップさせるために「ビジョン」を掲げることが必要。

京セラは創業してからずっと、「世界中に広げていこう」、「原町で一番の会社にしよう、その次は中京区一、京都一、次は日本一になろう」と言い続けてきた。

言い出した当初は、本人も本当にできるとは思ってはいなかったらしい。

しかし、何度も言い続けているうちに、自分もみんなもその夢を信じるようになった。

私も「松江で一番の看板製作会社にしていこう」と言い続けていこう。
きっとできる!!!

⑤ミッションを確立する

モチベーションを、さらに揺るぎないものにするのが、「ミッション」
会社の使命、目的を明らかにし、それを従業員と共有する。

京セラでは、月々の採算表を見ながら「今月は時間あたりがよくないではないか。一体、何をやっているのだ」と厳しい指導が行われる。

しかし、ただ時間あたりが悪いからと追求するのではなく、「大義名分あるこの事業に投資して、社会のために貢献しようとしているのに、こんな実績では事業を発展させることはできず、社会貢献もできない。赤字の原因を徹底究明し、早急に採算が良くなるよう、つまり事業目的を実現できるようにしなければならない。」

「私が厳しいことを言うのは、利益追及が目的ではない。この事業の大義名分を貫くために、利益が必要であり、事業を成長発展させなければならないのです。

だからこそ、稲盛塾長は業績の低下を厳しく叱っている。とあった。

利益が目的ではないのだ。そこも私が皆さんにうまく伝えられていない部分である。

我々の会社で置き換えると、『我々は「従業員の物心両面の幸福の追求」を経営理念とし、経営の目的としている。こんな実績では従業員を守ることはできない。この大義名分を貫くためには利益が必要であり、もっと頑張って事業を成長発展させなければならない。』となる。

⑥フィロソフィを共有する

経営者自身がフィロソフィを学び、それを通じて心を高めていく必要がある。また、自分自身を高めるだけでなく、フィロソフィを従業員に語り、車内で共有することにも努めていかなければならない。

京セラフィロソフィを信じて、それを丸呑みした企業、経営者ほど、成長発展を遂げている。稲盛さんの講和録から抜き出してそのまま話をする、それでいい。

稲盛さんも、最初は松下幸之助さんの言葉を借りていた。それを繰り返し言うことで、自分のものとなる。

世界で通用する、普遍的なフィロソフィを語るためにも、経営者である皆さん自身が心を高める努力を怠ってはなりません。

企業が小さいときには、経営者である自分の器も小さくても構いません。しかし、そのままでは決して企業は発展していきません。

しっかりとした哲学を学び、自分の器を大きくすることに勤めていかなければならない。

自社では、朝礼でフィロソフィについて学ぶことを始めました。私の勉強が一番の目的ですが、従業員の皆さんにも同じ考え方を学んでいただき、ベクトルをあわせ、いっしょに良い会社を作っていきたいです。

⑦企業統治の要諦は従業員をモチベートすること

最後にまとめ。

・まずは従業員をして、経営者である皆さんに惚れさせること

・仕事の意義を説くこと

・ビジョンを高く掲げ、ミッションを確立すること

・フィロソフィを語り続けること

・自分自身の心を高めていくこと

 
JALの再建の際に、最初に掲げられた言葉は次の言葉

「新しき計画の成就は只不屈不撓の一身にあり、さらばひたむきに只想え 気高く強く一筋に」中村天風

新しい計画を立て、それを成功させようと思うのなら、どんな困難があろうとも歯を食いしばってそれをやりぬくという不屈不撓の一心が必要。

そうであるならば、ただひたすらに思い続けなさい。一切の迷いがなく気高く美しい心でそれを貫き通しなさい。

「経営は強い意志で決まる」ということである。
 

また、JAL再建には稲盛塾長の力だけではなく、天の不思議な力が働いたからではないかと語られていた。「善きことを思い、善きことを行う」ことで、良い方向に不思議な力で吸い寄せられていくとのことであった。

経営者は色々なことをずっと考えているが、それだけではよくならない。
1日に一回でもいいから、「利他の心」、つまり自分だけではなく社会や他の人たち、相手の人たちを幸せにしてあげたいと思う心を、瞬間でもいいから思い出すことが必要ではないかと締めくくられていた。

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